ICOMOSに感謝2015年05月04日 20時51分09秒



つい先ほど、軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産への登録を勧告されたというニュースが入ってきた。何とか保存してほしいけど、世界遺産は厳しいんじゃないかと思っていたので、これは嬉しい知らせである。まだ最終的に登録されるかどうかは分からないが、可能性が一気に高まったのは間違いない。

実はこのところ、次作を書く関係で軍艦島関連の本を持ち歩いていて、今日も夕方に資料を読みながら文章を打っていたばかりだった。数年前にツアーで上陸したのも、これを書くための取材みたいなものだったくらいで、実際に手を付けたら途端にこういう知らせが入るというのも何かの縁のように感じる。
もっとも、今の実力ではまだ満足の行く出来上がりになる可能性は低そう。まあ、ライフワークみたいなものだろうと思っている。

ハルカスの空2013年09月09日 21時01分29秒



天王寺に寄る機会があったので、例の「阿倍野ハルカス」をちょっとだけ眺めてきました。大阪のどこからでも見えるとは言え、完成した姿を間近で見るのはこれが初めてです。
今まで大阪市内で一番高かった南港コスモタワーの256メートルを一気に抜き去り、横浜のランドマークタワーも上回って、高さ300メートルに達する日本一の超高層ビル。
日本で初めて「スーパートール」(=300メートル以上、世界的な超高層ビルの基準)となるビルでもあります。

こんなものすごいのを建ててるのに、関西マスコミは全然取り上げてなかったのですが、さすがに完成してからは話題にもなり、地価上昇率も35%で全国一位に。
近年、大阪は梅田一極集中が顕著だったわけですが、いまいち地味な感じのあった三番手の商業地、天王寺が逆襲に出たという感じです。

奈良の時は天王寺には良く行ってたし、応援したい気もします。
ただ、梅田は梅田でグランフロントが完成していて、こっちはもっとすごいことになってるわけですが。

祈りと救い2012年09月10日 19時19分53秒


この夏、徳島にある大塚国際美術館に行ってきました。
千点にも及ぶ名画を、特殊な技法による陶板画で複製展示していることで知られる、まさにマルローの「空想美術館」を具現化したような美術館です。

特に圧巻なのが、世界各地の聖堂・礼拝堂を再現した環境展示。スクロヴェーニ礼拝堂(上写真)を初めとした礼拝堂の美しさ、荘厳さには言葉を失うほどで、感動しました。

人は、祈りと共にその長い歴史を過ごしてきたのだと思います。
祈りは必ずどこかに届き、誰かを救うのだろうと、特定の信仰を持たない僕ですが、そう思わずにはいられないのでした。



(全てD90で)

スカイツリーとハルカス2012年03月04日 20時32分12秒


いよいよスカイツリーが完成したようだ。東京のマスコミのはしゃぎ方は尋常ではなく、東京の人ってのは相変わらず物見高いんだなと苦笑してしまうが、ここでも何度か触れたとおりに、僕も高いタワーとかビルは大好きで、一時は日本の超高層ビルの高さランキングを暗記していたくらいだから、スカイツリーもやっぱり見たい。
(写真は大阪で七番目、高さ186メートルの梅田阪急ビル)

で、実は2014年に「あべのハルカス」という、高さ300メートルの超高層ビルが、大阪の阿部野橋に完成する。横浜のランドマークタワーを抜いて、日本一となる超高層ビルだ。
もしこれが東京にできるのなら、かなりの話題になったことだろうと思うが、これが大阪だとほとんど話題にならない。というか、当の大阪のマスコミも、ほとんど取り上げていない。こういう点、大阪人って言うのは東京の人に比べて冷めてるなと思うが、それでいいのだろうと思う。

奈良駅は残った2011年12月31日 14時08分33秒


久々にJRの奈良駅に行ってみたら、長年工事していた高架の新駅舎がついに完成していた。
しかし、やっぱりランドマークとしては、和洋折衷の独特の建築物として知られた旧駅舎のほうがはるかに重要なわけで、これがちゃんと残って良かったなあと思うことしきり。

和モダンの京都2011年07月30日 23時25分05秒


数年前のいわゆる新景観政策スタート以来、少しずつ変化してきた京都の町だが、この頃ではついにはっきりとその変化が見て取れるようになった。
都心部では派手な色使いの広告などは姿を消し、店の看板なども電球色系の暖かい色使いのものや、間接照明を用いたものがほとんどになってきたのだ。
写真は京都の繁華街の中心部たる四条河原町の交差点だが、町ごと和モダンという状態に近づいてきているのが分かる。

家屋の建て替えに制限がかかるなど、私権の制限を伴うことが広報されていたにも関わらず、京都新聞の世論調査で何と九割以上の市民が支持したこの新景観政策。この面における、京都市民の意識の高さには驚かされたものである。
反対派の財界人だったかが、「ネオンが無くなって活気がなくなれば、町が若者に見放される」などと意味不明のことを口走っていたが、道頓堀くらいの名所は別格として、どこの世界にネオンを見に集まってくる若者がいるのか。meetsなんかの情報誌などを見てると、町家カフェでまったりスイーツ喰いたい、というのが若い人のメインストリームだろうから、町全体が和モダンというほうがずっと喜ばれるはずである。

下の写真は、わずか数年前の同じ四条河原町。このネオンはどれももうありません。
まあ、僕なんかはこういう典型的な地方都市的風景も好きなのだけど、電柱・電線問題同様、そう言う町は京都以外にもたくさんあるわけで、京都くらいは景観にこだわりがあってもいいじゃないかと思う。


そして、軍艦島2011年07月22日 20時35分18秒







子供の時からずっと興味のあったあの軍艦島、今回ついに訪れることが出来ました。台風の接近で危ぶんでいた上陸も難なく果たすことが出来て、これ以上の満足はありません。天気が良すぎるくらいで、上陸中はものすごく暑かったですが(何せ陽を遮る物が何もなく、人工の地面はコンクリートで固められているので)、そんなことどうでも良くなるくらいに夢中になりました。

かつて五千人もの人間が暮らしたその海上都市が、無人になった今も当時の姿をとどめているというそのものすごさは胸に迫る物があり、船から全景を眺めつつ目頭が熱くなりました。これは何としてでも世界遺産にする価値があると思います。

昔、軍艦島をモデルに短編を書いたことがあります。今の僕から見ると、どうにもならない出来ではあるのですが、あれを何とか形にしたいという気持ちはずっとあり、今回はそのための取材という意図もありました。現地を実際に目にして、いつか必ず書き上げようという気持ちが固まりました。モチベーションという面から見ても、非常に有意義な訪問でした。

超空間・大阪駅2011年06月18日 21時22分38秒







現地では全く感じることの無かった疲れが、一晩寝た今日になって急に吹き出してくる感じの中、所用で久々に大阪へ。話題の新・大阪駅をようやく見てきました。

しかしまあ、ものすごい空間が出現したものです。巨大な空間という意味では、京都駅にもちょっと似てる感じではあります。
それにしても、どんどんハイパー都会化していく梅田、この北側にもまた超高層ビル群が建築中のわけですが、あんなに人の多い町にはやっぱり住みたいとは思わず。京都の郊外くらいで、充分だと思います。ちょっとお茶飲むのに、行列したくはないよ。

フランク・ロイド・ライト2011年02月07日 19時25分58秒


久々に、犬山の明治村に行ってみたい気がする。昔の洋風建築の室内って、どうしてあんなに心が落ち着くんだろうか。特にライトの旧帝国ホテル(写真)は本当に素晴らしい建物で、これを取り壊したというのは信じがたい愚行なのだが、一部だけでもこうして残ったのは良かった。
それにしても、ここも今まで何度か行っているけども、色々と想い出深い場所ではある。次回行くときは多分一人だろうが。

深海2010年05月01日 08時37分44秒



京都駅が、海の底のようでした。