不在2016年06月26日 20時15分49秒



伊勢丹京都店の「美術館えき」で開催されている安西水丸展を見てきました。
二年前に亡くなられた水丸さん、僕にとってはやはり村上春樹作品でなじみがあります。これは見に行かないとと思ったのですが、割と軽い気持ちで出かけたにも関わらず、そこに展示された膨大なイラストの数々を見ていると、水丸さんがもういないという不在感があまりに圧倒的で、どうにも悲しくなってしまいました。村上さんのコメントがまた素晴らしく……・。

「ランゲルハンス島の午後」に収録されている、「レストランの読書」の絵が好きで(というか、そこに描かれている水差しが好き)、その原画を見られたのが良かった。ポストカードもちゃんとあったので、買ってきました。

ロンドン・パリ2016年06月24日 21時54分07秒



かなわぬ恋だとして それでも愛してる?
こんなにつれなくして それでも愛してる?
(Stop Look and Listen)
やっぱり二人はズレてる ロンドンとパリくらい
そんなに遠くはないのよ 今すぐジェットで飛んできて
だけどダメね パスポートもないのね
どうにもならないみたいね 私たちは 恋人になれないみたいね
悲しくなるほどロンドン パリ
(ピチカート・ファイブ,「ロンドン-パリ」,「超音速のピチカート・ファイヴ」M-2)

緑のじゅうたんと梅雨の花2016年06月19日 22時50分23秒








アジサイでも見に行こうと言うことで、半年ぶりくらいにいつものメンバーで丹波方面へ。
昨日の予報と違って朝から結構強い雨で、これはあかんかなと思いつつ亀岡の郊外でそばを食べたりしていたらどうにか小降りになり、それならばアジサイを見るにはむしろ風情があるだろうということで、まずは以前紅葉も見に行った法常寺へ。
残念ながら、ここはアジサイはまだ咲いていませんでした、その代わり境内の至る所が見事なくらいに苔に覆われていて、抹茶ケーキみたいな状態。お庭や本堂の中も見学させてもらい、後水尾天皇ゆかりの宝物をたくさん見せてもらうこともできましたが、残念ながら撮影禁止なので写真はありません。充実した見学内容ではありました。

続いて、綾部のアジサイ寺と呼ばれる東光院へと向かいましたが、こちらは見事に見頃で、梅雨時らしいしっとりとした風景を楽しむことが出来ました。
で、最後は京都市内まで戻ってきて、洛西のエミナースで温泉に入浴(エミナース自体は何度も行ってるが、温泉は初めて)したあとそのままそこで夕食。丹波方面に出掛けたら必ず温泉で締める、というのがすっかり定番パターンになってしまいました。

歩道橋の魔術師2016年06月12日 15時24分09秒



一話ずつ、ゆっくり読んでいた「歩道橋の魔術師」(「天橋上的魔術師」、呉明益・天野健太郎訳)を読み終えた。
この本を手に取ることになったのは、梅田のルクア1100にある某おしゃれ系書店で見かけて、表紙に使われている写真の不思議な風景が気になったからだったが、これが解説を読むとどうも好みの内容。その時は買わなかったが、後日京都の書店で購入した。

7~80年代の中華商場(店舗兼住居の、全長2キロに及ぶ巨大な建物で、台北のランドマークと呼ばれたそうだ)を舞台とした連作長編なのだが、マジックリアリズム的なカラーのあるノスタルジックな物語群というのが、まさに好みのど真ん中。比較的抑え目な描写で端正に書かれているが、そもそもの舞台がかなりシュールな物件なので、異空間をさまよっているような気分になってしまう。台湾文学というのは初めて読んだけど、これは出色の出来栄えだと思う。連作形式が好きということもあるけど、この数年読んだ小説の中でもベストの作品だった。この装丁でなければ、存在に気づくことがなかった可能性が高く、よくぞこの写真を使ってくれた、と感謝した。

しかしこの、全く知らないはずの昔の台北が、こんなにも懐かしいのは不思議でもある。恐らく、子供の時に何度も見た、大阪市阿倍野区の風景を連想しながら読んでいたと思う。あちらはシャープで、中華商場はナショナルのネオンだけど。作者は僕と全くの同年代のようです。


「わたしが本当になりたかったのは魔術師だった。でも、マジックをするとき、すごく緊張してしまうので、仕方なく、文学の孤独に逃げ込んだ。」
(巻頭に引用されている、G・ガルシア=マルケスの言葉)

WiiFit再び2016年06月11日 21時12分40秒



最近だいぶ暑くなってきて、毎週泳ぎに行くようになったが、二週間ほど前突然に左肩から首にかけてが寝違えたように痛くなってしまい、これでは泳ぐのは厳しいので、代わりにそこらをジョギングっぽく走ってみた。
考えてみれば、「走る」というようなことをするのは下手をすると20年ぶりとかで、10分も走ると足が痛くなり、翌日は筋肉痛になってしまった。さすがにこれは厳しい。

痛みは数日でおさまったが、どうも歩くバランスも悪化してきているような気がして、ふと思い出したのが何年も使っていないWiiFit。こいつには、姿勢のバランスを計測する機能がある。
案の定というか、やってみるとかなりの右重心になっている。トレーニングで改善を、とWiiFitがしきりに勧めてくるので、昔はまったヨガを久々にやってみた。
スコアが昔よりかなり落ちているので、かつてはしんどくて絶対やらなかった筋トレメニューのほうにも手を出したが、やってみると疲れるが面白い。バランスを検知してトレーナーが色々言ってくれるのでわかりやすい。
しかしゲームとはいえ、画面はおまけ程度で体を動かすのが主だから、20分もやっていると汗だくになる。

まだ二週間だが、毎日やっていたらスコアは少しずつ回復してきた。ただ、片足で立つ系のがどうも不安定で評価が良くない。もう少し続ける。

町並み写真館「當麻」2016年06月05日 20時06分26秒



まちなみ街道の町並み写真館に「當麻」を掲載しました。當麻寺の、絵に書いたような門前町です。昨年末にも同じく奈良の門前町として「飛鳥」を掲載しましたが、立派な門前町がいくつもあるのはさすがに奈良。
ちなみに、奈良県内は古い町並みが非常に多いので、他とのバランス的に掲載を抑え気味にしてきましたが、そろそろ関西の町並みはストックが切れてきて、そんなことも言っていられなくなってきました。次に載せることになる奈良の町並み(かなり先になると思いますが)も、門前町になる予定です。

町並み本、久しぶりに2016年05月28日 21時04分46秒



古い町並み巡りを始めた十数年前には、町並み紹介の本を良く買っていた。まだ見ぬ町並みのページを見ながら、どんなところなのだろうかと想像するのはものすごく楽しかったが、今やそういう本に載っているようなメジャーどころにはほとんど行ってしまった。マイナーな町まで詳しく紹介しているような本もあるのだが、どちらかというと専門的な内容になるので、パラパラめくって楽しむ感じではない。そういうわけで、新しい町並み本の類を買うことはほとんどなくなってしまった。

ところが、先日山川出版社から出た「日本の町並み」は、上下巻で700ページ近いボリュームで一般にはあまり知られていないような古い町並みまで網羅している上に、カラー写真を多用した読んでいても楽しい内容。二巻で4000円近い値段も納得の内容で、書店で見つけて即買いしてしまった。まだ行くべき場所、たくさんあるなあ。

京阪間指向/守口散歩2016年05月22日 19時31分22秒






最近、観光客多すぎでお茶を飲むにも苦労する京都市内にまた足が向かなくなってきて、休日は郊外方面に買い物などに出かけることが増えた。特に、京阪沿線の衛星都市なら京阪特急で二十分以内、樟葉は駅降りたら目の前に巨大ショッピングモール(しかもイオンではない)、枚方市も先日駅のそばに馬鹿でかい蔦屋書店がオープンしたりと、歩く必要がないのも便利である。

京阪電車と言えば、京街道に沿って走っている区間が多いので、ついでに一駅分京街道を歩いてみたりすることもある。
街道跡が非常にわかりやすいのがやはり枚方市、そして案外知られていないが守口市内にははっきりと街道跡が残っている。

守口の駅から少し歩くと、道路の上を横切る年季の入った陸橋があって、一見廃線跡風にも見えるが、これが京街道なのである。秀吉が伏見・大坂間の道として整備した文禄堤の名残(ここ以外ではほとんど残っていないらしい)で、普通に街道(写真二枚目)を歩いていると気づかないが、実は市街地よりも高いところを通っているので、他の道と交差する部分ではこういう陸橋になっているのである。
町家は昔に比べてかなり減ってしまい、古い町並みとしては今一つの感じなのだが、この地形が面白い。街道を外れようとすると、必ず階段などを下ることになる。見事な高低差っぷりなので、ぜひタモリさんにも歩いてみてもらいたいと思う。


(枚方駅前)

西宮散歩2016年05月21日 21時05分05秒






この前、「すごいぞ! 私鉄王国・関西」という本を買って読んでみたらこれが面白くて、私鉄が大好きだった子供の時のことを思い出した。
関西の大手私鉄五社では、近鉄が最も長い付き合い(奈良県内はほぼ近鉄の支配下にある)で、次が京阪、阪急も通勤で使っていたことがある。一方、南海は和歌山や泉南方面に行くときにまれに乗るだけ、阪神は姫路への直通特急にわざわざ乗ろうとでもしない限りまず乗ることがない。それで、久しぶりに阪神電車に乗ってみたくなって梅田へと向かった。
行き先は特にないので、阪神名物とでもいうべきジェットカー(日本一の高加減速を誇る)に乗り、そう言えば西宮って阪急の西宮北口しか知らないなと思って、阪神西宮で降りた。

西宮の名所と言えば、西宮神社くらいしか知らないので、まずそちらへ。さすがに戎神社の総本山だけあって立派なもので、中の庭園も落ち着いた雰囲気が良い。ちなみに境内を囲む大練塀は、「日本三大練塀」だそうである(そんなものがあるらしい。あとの二つは三十三間堂と熱田神宮だそうな)。

さてあとはどうしようかと思ったが、西宮というと灘五郷の一つとして知られる清酒の銘醸地で、白鹿本社の周辺に記念館などもあるというので、そちらへ向かってみた。ここで出会ったのが、その白鹿の創業者だという辰馬家の邸宅だという、見事な擬洋風建築。周辺もちょっとだけ古い町並みのような雰囲気で、サイトに掲載するほどの規模ではないけれど、ちょっと儲けものの気分だったので、ここに写真を載せておきます。

町並み写真館「黒島」2016年05月15日 15時32分51秒




まちなみ街道の町並み写真館に、石川県能登半島の「黒島」を追加しました。
平成19年の能登地震で大きな被害を受けながら、建物の修復を行って重伝建地区にまで選定されたという、まさに不死鳥のようによみがえった町並みです。

一昨年の能登半島一周旅行の目玉だったのですが、素晴らしい秋晴れの中、陽が少しずつ傾き始めた中で歩いたこの町は、強く印象に残りました。輪島に行かれる際には、ぜひこちらにも立ち寄ってみていただきたいと思います。
(写真は角海家の、数十メートルに渡って続く板壁)