塔の上の男2005年11月30日 20時45分08秒

自ら望んで、登ってきたのだ。
針より細い、塔の上。目指した星はすぐ目の前だが、その手は決して届きはしない。その見た目とは裏腹に、氷よりなお冷ややかだから、触れられぬのも幸いか。
もはや地上の喧噪も、その温もりを伝えはしない。空に囲まれた塔の上。

間もなく、陽も落ちる。