甦った、EXCELIA2013年01月11日 22時48分36秒


もうずいぶん昔、80年代終わりのことだ。
実家で長年使われていたオンキヨーのステレオコンポのカセットデッキが、モーター寿命で修理不能となってしまった。当時人気だったメタルテープに非対応で、代わりにフェリクロームポジション(=TYPEⅢ。こう書いてももう分かる人、ほとんどいないかもね)があるという、その頃にしても年代物のデッキだったから、まあ仕方なかろうということで代わりに新しいデッキを買うことになった。

そこで僕が、日本橋のオーディオ専門に出かけて買ってきたのが、アイワのエクセリアXK-005というデッキだった。とにかくその頃は3ヘッドデッキ(これも、もう分かる人がどれだけ居るかな)に憧れがあったから、確か3ヘッド機の中でも安かったという理由だけでこれにしたはずだ。
で、実際に使ってみて、今までのデッキや自分のラジカセよりも桁違いに音質の良いのに驚愕することになった。CDに迫る音質にさえ思えて、カセットテープってこんな音が出るのかと心底感心した。それまでテープの種類に色々凝ったりしてたのが、なんだったのかと思わされた。

ずっと後にネットで知ることになるが、このアイワEXCELIAシリーズ、特に最上級機のXK-009が伝説の名機的な扱いを受けるほどの、実は非常に評価が高いカセットデッキだったのである。
うちにあったXK-005は一番廉価版で、009と比べると音質は落ちると言われているようだが、さすがにラジカセなんかとは比較にならない高音質だったのだ。



僕が実家を離れてから、使われる機会の少なくなったまま眠っていたこのデッキだが、実家を建て直す際に、処分されるところだったのを引き取ってきた。残念ながら、この時点ですでに内部のベルトが劣化してしまっていて、再生ができなかった。
いつかベルトが手に入ったら修理しようと思って保管することにしたのだが、結局そのまま十年以上もまた眠り続けることになった。
その間に、京都にアイワのデッキ専門の修理店があることが判明して、見積もりを取ったりもしたのだが、二万円という微妙な価格だったので、踏み切れなかった。エクセリアシリーズの高評価を知ったのも、やっとこの頃になってからだ。

ところが先日ついにヤフオクで、エクセリア用の新品駆動ベルトが出品されているのを見つけた。
さっそく入手してベルトを交換してやると、XK-005は何の問題もなくちゃんと動作した。メカ部分が相当しっかりしているのだろう、このデッキの特徴であるテープ固定機構AMTSの動作などにも全く頼りなさを感じない。実使用期間が短かったからか、ヘッドの状態も悪くないようだ。
こうして、再び昔のテープを、ちゃんとした音質で聴くことができるようになった。当時メタルテープで撮ったものなど、今でも鮮明な音を保っている。嬉しいので色々聴いてみているが、非常に楽しい。
これからは、大事に使い続けるつもりだ。

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