国宝は、実は貴重なのだ2007年09月19日 21時20分43秒

都内唯一の国宝建造物、正福寺地蔵堂 by GRdigital
人生の大半を奈良と京都で過ごしてきたせいなのだが、ごく最近まで国宝建造物が貴重なのだということを認識したことがなかった。旅行に出かけたときなどに、「国宝○○寺」などとでかでかと書かれた看板(特に、「国宝」の文字がでかい)を見る度に、「なんだ大層な」といつも思っていたのである。何せ、奈良・京都ではちょっと名の知れた寺社は大抵国宝で、そこらにごろごろあるのだから、これは仕方ない。

ところが調べてみると、国宝建造物が三つ以上ある県はごく少なくて、京都・奈良(共に20箇所以上)に次ぐ滋賀県、そしてそれ以外の近畿3県を除けば、長野・愛知・愛媛・広島・山口だけ。それどころかゼロという県が20近くもあるのだ。これには驚いた。(驚いてるのは僕だけか)合計で124箇所、その3分の2が近畿(さすがにほとんど見てる)なので、実は国宝建造物を全部見て回るのは、重伝建地区を全部巡るより簡単なのかも。

さて、写真は東京都内唯一の国宝建造物、正福寺地蔵堂。東村山市にあるのだが、案内も看板もほとんど出ていないのに逆に驚いた。寺社マニアの後輩と一緒に行ったのだが、普通の人は恐らく、ほとんど誰も知らないのではないか。鎌倉の円覚寺舎利殿そっくりなのだが、正福寺のほうは年中すぐそばまで寄れるので、必見である。(ちなみに、鎌倉の国宝が、この舎利殿だけらしいのにも驚いたのであった)