さようなら、小松先生2011年07月28日 19時59分49秒


ついに、とうとう、小松左京さんがお亡くなりになった。言うまでもなく、大阪が生み出した巨大な知性であり、日本の本格SFにおいては結局誰一人、この人を超えることができなかった。

僕が最初に読んだ小松作品は、小学生の時に読んだ「青い宇宙の冒険」だった。実家には元々、父親が買った小松作品が大量にそろっていたということもあって、結局ほとんどの作品を読むことになる。もちろん、最も尊敬する作家の一人である。

残念なのが、「虚無回廊」が未完のまま遺作となってしまったこと。あの壮大な作品がどう展開するか、ぜひ読んでみたかった。遺稿の中から完結編が発見されて、というようなことを少し期待してしまう。

とりとめのない文章になった。
今の気持ちを言葉で言い表すことは、難しい。

コメント

_ バニラダヌキ ― 2011年07月29日 02時05分31秒

黙祷……。

数々の長編ハードSFはちょっとこっちに置いといて(おい)――SF以前の怪奇幻想から文芸に足を突っこんだ狸にとって、最初の小松体験は、その手のアンソロジーに入っていた『くだんのはは』でした。いまだに短編ホラーの見本として、時々読み返しております。そしてSFとしての小松初体験が、『ゴルディアスの結び目』。いまだに日本短編SFのベスト1だと確信してます。一方で、なんで直木賞とれなかったのか今も不思議な(まあ筒井先生同様、反SF畑の松●清●先生に嫌われたのでしょうか)一般人情小説『女シリーズ』――。

ほんとに、小松先生のパソのどこかに残っておりませんかね、『虚無回廊』
の続き。せめてプロットだけでも。

_ 天野橋立 ― 2011年07月29日 20時37分33秒

人の生き死にはどうにもならぬこととは言え、やはり残念でなりません。やはり関西においては存在感も大きかったようで、今朝の情報番組を見ていたら三十分ほどの間に四回も訃報を伝えていました。

短編で僕が一番好きなのは、「お糸」というマイナーな(と思ったら、ウィキペディアに項目があるのにびっくり)作品で、この前実家に帰った時にこれが収録されているはずの「虚空の足音」を探したのですが、見当たらず。確か何年か前にも一度読んだはずなのに。筒井さんの「エロチック街道」と並んで、生涯に一度はこういうのを書いて見たいと思っています。

村上春樹に授賞できなかった芥川賞と、筒井・小松両先生に授賞できなかった直木賞は、もはや文学史的な意味を完全に失っていると僕は思ってます。谷崎潤一郎賞辺りの方が、文学史的にはずっと参考になるんじゃないかななどとも思ったり。

_ コーヒーCUP ― 2011年07月30日 05時10分37秒

 こちらではお初ですか? お邪魔します。
 いや、記事とは全く関係のないことを言いたくて……。とはいいつつ、自分も小松先生の作品はふれたことがないのですが映画の“日本沈没”は観たので、ああいった傑作を生み出された方が亡くなったのは惜しいなあとしみじみ思いました。大阪出身だったこともこの記事を読み知ってびっくり。大阪は意外な作家を出してますね……。今は“日本沈没”もしゃれにならん状況ですが。
 本屋でバイトしているのですが急ピッチで「追悼・小松先生」コーナーを作っていますよ。
 直木・芥川が意味を無くしているのは同意です。そもそも「2月と8月は本の売れ行きが悪い」というのを打開するために年に二回開くようになったあたりで終わってたのを、最近の直木の自社受賞率の多さ、芥川の無理矢理な話題作りのせいでとどめをさした感じでしょうか。
 いえ、言いたかったことはそんなことではなく。
 写真ですよ、写真。いやなんてことないんですが、大阪在住で、梅田は通学路だし、バイト先も梅田なので、この写真がどこから撮られたのかが手に取るように分かって少し嬉しくなりました。それだけ言いたかったのですよ。
 では、お邪魔しました。

_ 天野橋立 ― 2011年07月30日 18時00分26秒

こちらでは、どうもはじめまして。
コーヒーCUPさん、大阪だったんですね。知りませんでした。
梅田の写真を撮るの、好きなんですよ。何年も前から何度も撮ってるんですが、年々メガ都会化が進んでいて面白いですね。上の写真も、すでに大丸の様子が全然変わってしまってますよね。

そうなんです、小松先生は大阪なんですよ。1970年の万博のプロデューサーをされたり、全人類的な巨視的な視点から大阪の未来についても真剣に考えておられた方でした。手塚治虫さんもそうですが、こういう大知識人が大阪から出なくなってしまったのは大変残念です。
橋下知事も平松市長も結局は金と権限の話ばかりですが、もっと高い視点から大阪の未来を論じてもらいたいものです。

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