たった一枚の日食写真2012年05月21日 09時09分36秒

この土曜から、温泉旅行と日食観察を兼ねて、和歌山へ向かいました。 龍神温泉で一泊し、いよいよ日食を目指して那智勝浦を目指して南下しはじめたものの、天気予報が急激に悪化し始め、とうとう朝から雨との予報に。

先輩と相談した結果、勝浦での観測を断念して、天気がましそうなところへ移動することに。天気予報では、知多半島が一番ましそうと言うことで、夕方から高速を飛ばして愛知へと向かった。

翌朝は早起きして師崎へ。団体客などが続々と集まってくる。空は何とか晴れてくれて、無事に太陽が欠け始めるの観測できた…と、そこまでは良かったが、金環になる30分前から突然分厚い雲が。

結局、時間が来ても雲が晴れることはなく、日本各地で日食の観察報告がTwitterで上がってくるのを見ながら、我々はすっかりお葬式モード。周囲の人たちも次々と帰り始めた。 しかし、その瞬間。一斉に歓声が上がった。あの分厚い雲がごくわすがに切れて、リング状の太陽が姿を現したのだった。その間、わずか数秒。必死でシャッターを切ったのが、この写真。

結局、勝浦は晴れたようだし、京都も奈良もみんな晴れで、わざわざこんな遠くに来た意味は全くなかったわけだが、あの一瞬の感動は、何にも代えがたい想い出になったのだった。