島から島へ(沼島紀行)2016年12月11日 09時38分28秒




淡路旅行、翌日も朝から快晴。朝食前に、旅館前のビーチを少し散歩。この海岸に来るのは三年ぶりくらい、その時は夏だったので海水浴客がたくさんいたのを覚えている。



沼島行きの船は、島の南端近くにある灘集落の土生港から出ている。朝食をのんびり食べたりして旅館からの出発が遅くなったので、船の時間ぎりぎりに港へ到着したのだが、温泉旅館でついのんびりしてしまうのは仕方ない。船に乗っている時間は、十分程度。



島には小さな集落が一つしかないが、お寺や神社がいくつもあり、地形的にも起伏に富んでいるため歩き回っていると結構時間がかかる。水軍の拠点だったと言われる八幡神社は特に立派で、眺めも良い。



沼島最大の観光スポット、上立神岩を目指して集落とは反対側の海岸へとちょっとした山越え。急な崖を階段で降りていくと、岩が見えてくる。階段は荒波が打ち寄せる岩場の前で途切れていて、そのまま進むと海中に転げ落ちそう。空も暗くなり、雨が降り出した。しばし、傘をさしたまま急な階段にじっと座って、海を眺める。沼島はイザナギ・イザナミが降り立ったとされるオノコロ島だとも言われていて、この上立神岩が「天の御柱」ではないかと伝えられているそうだ。



雨の中を集落へと戻り、料理旅館の中にある食事処で昼食。ここは想定外に綺麗で落ち着いた雰囲気だった。雨の離島で、ほっとする瞬間。昨日のお昼は生シラス丼だったが、今日はキス丼。やはり、海鮮系がおいしい。この後、カフェ併設の観光案内所に立ち寄ったが、ここも雰囲気が良かった。カウンターにおられた方に話を聞いたら、元々は京都の人だということだった。



再び淡路島へ戻り、かなりのくねくね道を車で登って、由良の近くにある生石岬の公園へ。淡路橋立とも呼ばれる成が島の風景を眺めようということだったが、雨が激しくなってきて、ぼんやりとしか見えなかった。ここには、由良要塞の跡も残っているということで、傘をさしたまま山中を歩き回って見学したが、これが結構きつかった。要塞跡としては、対岸の友が島のほうが見どころが多かった感じ。



ほうほうの体で洲本へ戻ってくると、輝く町の光がまさに大都会に見えて、さすがは淡路島随一の町である。旧鐘紡工場の赤レンガ建築群を利用したアルチザンスクエアという商業施設内の、非常におしゃれなカフェでお茶を飲んで一息つく。これで日程は終了で、あとは本土へ帰るだけだ。明石海峡大橋の向こうは、現実の日常である。