バスの駅再び2013年10月05日 20時58分16秒







先日の岡山行きは、天気が晴れになりそうだと確認した上で、直前になって行こうと決めたのでしたが、なにせ三連休だけに岡山も倉敷もその周辺もホテルは見事に満室。
色々調べてみると、笠岡から山側に入った井原なら部屋の空いているホテルがあり、選択の余地なしという感じでそこに決めたのでした。

笠岡・井原間は今はバスで結ばれているわけですが、この間にはかつて井笠鉄道という軽便鉄道があり、1970年代まで生き残ったと言うことで軽便鉄道好きの間では非常に有名です。
その井笠鉄道の駅が、今でもバスセンターとしてそのまま使われていると言うことで、せっかく井原に行くのならぜひ見てみようと思っていたのですが、予約しておいたホテルはまさにそのバスセンターのすぐそばで、わざわざ見に行くまでもなく井原バスセンターでバスを降りることになりました。

乗り場に頭から突っ込んで止まっているバスが並ぶその眺めは、なるほど頭端式だった駅の雰囲気そのまま。
何だか立ち去りがたい気分になって、しばし無人のバスセンターにたたずんでしまったのでした。

二つの小京都・明暗2013年10月14日 09時14分01秒



(西尾の跡地群)

(犬山)

(金蓮寺)

昨日はいつものメンバーと愛知県にある二つの小京都、三河の小京都・西尾と尾張の小京都・犬山に行ってきました。
西尾のほうは、近県にある小京都としては唯一今まで行ったことがなかったのですが、これは理由があって…。

まあ分かっていたことではありましたが、西尾では景観の重要ポイントとでも言うべき古い建築物が次々に取り壊されてしまっていて、「跡地」だらけになっています。
特に大正時代に建てられ、町のシンボルとまで呼ばれていたという「井桁屋百貨店」の名建築が解体されて公園になってしまったのは非常に残念。「西尾銀行」の建物もつぶされてしまって今はありません。
この辺は知っていたのですが、景観整備が進んでいると聞いていた本町にある「大黒屋呉服店」が無くなってしまっていたのは予想外で、城下町当時の路地が残るとされる順海町の辺りにも井戸だけがぽつんと残る真新しい広大な更地が見られるなど、とにかく破壊のオンパレード。
同行したメンバーからは「この町は跡地を見せるというコンセプトなのか」「なんで小京都を名乗ろうと思ったのか、さっぱり分からない」とまで言われる始末でした。

一方の犬山は、以前町並みブログのほうにも載せたとおり、かつてはほとんど人通りも無かった町並みが見事に整備されて観光的に大成功、今やテーマパーク状態で町家や蔵を使ったレトロ居酒屋やら何やらがずらり並ぶというものすごい活況です。
こうなるともはや行き過ぎという感じで、僕の趣味ではありませんが、少なくとも町並みはちゃんと整備されて残ったわけで、これはこれでいいのだと思います。

数百単位の町を訪れてきたので、いやほど実例を見てきましたが、実際のところ古い建物を潰して駅前のメインストリートやらをむやみに拡幅してただっぴろい歩道を作ったところで町の活気が戻った例などほとんどありません。古い洋風建築などは、改装してカフェやらレストランにしたほうがずっと経済効果が大きいと思います。

ところで愛知県には国宝建造物が三つあり、そのうちの二つが犬山に、もう一つが西尾にあります。
で、せっかくなので国宝巡りもということで、西尾の郊外にある金蓮寺にも訪れてきました。観光色のほとんどない、こじんまりとした静かなお寺で、国宝の弥陀堂も小さいながらも均整の取れた良い建物でした。お願いして拝観もさせてもらいましたが、ご本尊をすぐ目の前で拝むことができ、写真もどうぞ撮ってくださいということで、ここは非常に良かったです。
同行メンバーも「今日はここを見に来たと言うことで納得しよう」という結論になりました。

(「小京都一覧」からリンクする形で、ひっそりと西尾の写真を掲載しました。「実態について厳しく書くべき」との同行メンバーの意見に沿った形にしました)