新名神開通記念・亀山における高速道路の変遷2019年03月23日 21時03分32秒

新名神・鈴鹿パーキングエリア
(新名神 鈴鹿PA)

三重県の亀山と言えば、特に高速道路網において交通の要衝となっている場所で、大阪・奈良・京都方面から名古屋方面、伊勢方面へと向かう道(もちろんその逆も)が一堂に会する大拠点である。
 おかげでこの辺りのJCT類は、新しい道が開通するたびにルートがつけ変わったりして大変にややこしいことになっている。今までも何度もルート誤りをやらかした訳だが、今週初めに新名神四日市ルートが開通したのを記念して(ただし亀山西JCTは未完成)ここにまとめを書いておこうと思う。

まず、ここに接続している高速道路の類を順番に並べてみる。
①名阪国道
 奈良の天理ICと亀山IC⒜を結ぶ自動車専用道路で、前回の東京オリンピック前に突貫工事で完成した「千日道路」。色々経緯があって、建前上は一般国道25号だが、実際は無料の高速道路。各種設備のレベルが本物の高速道路よりもかなり劣り、日本一事故率が高い道路としても知られるが、全線延長70キロを無料で走れることから根強い人気がある。
 あくまで一般国道ということで、各種表示が高速扱いになっていない場合が多く、そのせいで他の道路からの接続が非常に分かりにくい(google mapは高速扱いのようである)。


(伊勢道から名阪国道への分岐。あくまで一般国道なので伊勢関出口で高速から降りて、関JCTから名阪に入る形になる。横の青い看板には、「名阪国道 大阪」と書いてある)

②東名阪自動車道
 名阪国道を亀山IC⒜から名古屋方面まで延長した形で作られた、こちらは有料の高速道路。近年、交通集中で大渋滞が慢性化していた。  

③伊勢自動車道
 名阪国道関JCT⒝から分岐する、伊勢方面への高速道路。

④新名神高速道路そのⅠ(いわゆる滋賀区間)
 名神高速道路の草津と、東名阪道の亀山JCT⒟とを結ぶ高速道路。

⑤新名神高速道路そのⅡ(いわゆる四日市区間)
 今週(2019年3月17日)開通した区間。新名神高速そのⅠの途中に新たにできた亀山西JCT⒡と、四日市JCT⒠とを結ぶ。東名阪自動車道の西側を並行する形の道路。

 この開通で、新名神高速道路そのⅠの亀山西JCT⒡と亀山JCT⒟の間は新名神本線から外れ、「亀山連絡路」となる。


(一応、全体図)

 以上で役者はそろったので、次に開通の順番に説明すると、
ア 名阪国道①の天理ICと亀山IC⒜間が開通(1965)

イ 名阪国道①を東に延長する形で、東名阪道②の亀山IC⒜から四日市JCT⒠までが開通(1970)。

ウ 名阪国道①の終点に近い関JCT⒝から南の伊勢方面へと分岐する伊勢自動車道③が開通(1975)。この時点では、関JCT⒝と亀山IC⒜との間はあくまで名阪国道①なので、東名阪道②と伊勢道③は直結しておらず、一旦高速を降りて一般国道である名阪国道①(ただし、見た目は高速)を経由する形に。

エ ウの状態が不便だったため、東名阪道②を亀山IC⒜から伊勢道③の伊勢関IC⒞まで延長し、直結させる(亀山直結線、2005年)。名阪国道①とは、区間が一部重なりあう形に。

 これにより、名阪国道①から東名阪道②の接続は亀山IC⒜、名阪国道①から伊勢道③の接続は関JCT⒝経由で伊勢関IC⒞、東名阪道②と伊勢道③の接続は伊勢関IC⒞という複雑なトライアングル状況が出来上がった。


(複雑すぎて、地図上でも苦労が見られる)

オ 新名神高速そのⅠ④の草津・亀山間が開通(2008)。亀山IC⒜の北側にできた亀山JCT⒟で、東名阪道と接続することになった。この結果、東名阪道には名阪国道①と伊勢道③と新名神高速そのⅠ④から来た車が全て集中することになり、四日市付近で大渋滞が連発するという状況に陥った。

カ 新名神高速そのⅠ④の途中、亀山JCT⒟の西側に新たにできた亀山西JCT⒡と四日市JCT⒠の間に新名神高速そのⅡ⑤が開通(2019)。この開通で、亀山西JCT⒡と亀山JCT⒟の間は新名神本線から外れ、「亀山連絡路」となった。

 東名阪道②と並行して名古屋に向かう路線がもう一つできたわけだが、両者は四日市JCT⒠で合流するため、京都方面から新名神高速そのⅠ④で来た場合、亀山西JCT⒡からそのまま新名神高速そのⅡで四日市に向かうか、亀山JCT⒟から東名阪道②で四日市に向かうかを選べることになる(四日市からも東名阪と伊勢湾岸道が分岐する)

キ 亀山西JCT⒡はまだ未完成(2019年度中には完成)で、新名神高速そのⅡと亀山JCT⒟との間は行き来できない。つまり、新名神高速そのⅡ⑤から名阪国道①や伊勢道②へ向かうことはまだできないわけである。ここを勘違いすると、とんでもない大迂回(土山まで降りられない)を強いられる。現状では、新名神鈴鹿PA(スマートICがある)で一旦降りて、下道を東名阪道②の鈴鹿ICへ向かい、もう一度高速に乗り直すしかないようだ。


(2つのJCT、並行する道)

・最後に
 以上でまとめは終わり。正直、自分で書いてても良くわからないわけですが、なんでこんなことを書こうと思ったかというと、水曜日の夜に急用で伊勢方面へ向かおうとしたところ、亀山西JCT⒡を誤って直進して新名神高速そのⅡに入ってしまい(だって元々は直進すれば東名阪道②の亀山JCT⒟だったのだ! 各種案内図も未だにそうなっておる!)、上記の「新名神鈴鹿PAで降りて東名阪鈴鹿ICで乗りなおす」というのを実際にやる羽目になったからなのでした。


(この案内図にも、草津から亀山JCTは直進で、鈴鹿方面が分岐路のように書いてある。本当は逆です)

 ネットにも情報がほとんどなくて非常に焦りましたが、もうどうでもなれと思ってついでに鈴鹿PAを見学したりしたおかげで、「もう一度新名神高速そのⅡに乗って引き返す」というのをやらずに済んだ(注意喚起のポスターが貼ってあった)のでした。これをやってたら、滋賀の土山まで戻ってしまうことになったでしょう。

 なお、新東名と新名神は直結しておらず、間に伊勢湾岸道が挟まるということも、併せてお伝えしておきます。


(新名神鈴鹿PAではホンダのF1カー?が見られます)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック