PassingBreezeを聴け2011年07月12日 19時23分33秒




今ではほとんどやらないコンピューターゲームだが、高校生くらいまではかなり好きなゲームが色々あって、熱中したものである。中でも、今までで一番好きなゲームだと言い切れるのが、セガの「OutRun」。
1986年の夏に発表されたこのゲーム、当時としては最高の技術を投入して作られたドライブゲームで、それまでのレースゲームとは色んな意味で完全に一線を画したものだった。

何と言っても、グラフィックの美しさ。OutRunを代表するコースと言えるだろう、ステージ1の「ココナッツ・ビーチ」の映像は、それまでのゲームでは見たことのないような、明るく爽やかな夏のビーチだった。今見ると、80年代のあの空気を見事に映してるなあと思う。

そしてもう一つの特徴が、BGM。スタート時に「MagicalSoundShower」「SplashWAVE」「PassingBreeze」の三曲から選べるBGMは、どれもちゃんとした音楽(ジャンル的には、これも80年代に流行した「フュージョン」系)として成立していて、これもそれまでに例がないものだった。
どの曲もものすごく好きだが、僕が一曲選ぶなら「SplashWave」だろう。もっとも、これは当時でも好みが結構分かれていたように思う。

こういうセンスのゲームは、結局その後ついに登場することがなかった(随分後になって出た「OutRun2」はまずまず良い線を行っていると思うが)。このゲーム画面の中にある夏は、僕にとっては今でも一つの理想の夏なのだと思う。