冷めたコーヒーのような2011年05月14日 22時10分20秒


思えば、僕がボサノバ系の音楽を好んで聞くようになったその始まりは、丸山圭子の「どうぞこのまま」ではないかと思う。この編曲の見事さは、同年代の音楽の中でも傑出しているのではないだろうか。

子供の頃、僕が持っていた「都会」のイメージは、ホテル最上階の薄暗いスカイレストランみたいなところから見える、どこまでも広がる町の灯の情景だった(本当にこういうのを見たことがあったのかどうかは、定かではない)。「どうぞこのまま」を聞くと、なぜかそのイメージが今でも脳裏に浮かんでくるのだ。

ところで、YouTubeのコメントを見ていて、あの音の正体が「ローズ・ピアノ」という楽器であることが分かった。長年気になっていたので、これは収穫だった。昔のニューミュージックでは、本当に良く使われていた音である。ハイ・ファイ・セットなんかも多用してたんじゃないかと思う。なるほど、DX7のエレピは、これが基になったんだな。